〈店舗リフォーム〉予算・会社選びのポイントから減価償却・補助金まで解説
店舗のリフォームは、住宅の場合と異なり費用が大きくなりがちです。
そのため、綿密なプランニングが欠かせません。
また、デザイン性を求めるなら、会社選びも重要です。
そこで、今回は店舗リフォームのポイントや費用目安、減価償却、補助金について、リノベーションのプロが詳しく解説します。
リフォームプランをご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
● 店舗リフォームを検討する際は、費用目安や予算の立て方、工事プランの考え方を知っておくことが重要です。
● 経費を抑えてリフォームを実現させるためには、耐用年数と減価償却、関連する補助金についても理解を深めておきましょう。
●najam(ナジャム)では、アジアンリゾートデザインに特化し、リノベーションの設計施工・家具選び・アフターメンテナンスまでトータルでお客様をサポートしております。
目次
店舗リフォームを検討する際に知っておくべきポイント
店舗リフォームは、デザイン面・予算面でいくつかのポイントを押さえなくてはいけません。
住宅改修とはプランニングのアプローチが全く異なるため、これから紹介する点に着目して検討してください。
①「業種によって費用は大きく変わる」
店舗リフォームは、そこで営まれる業種によって工事費用が大きく異なります。
インテリアデザインによってコストはかなり変動しますが、坪単価目安を把握すると、精度の高い予算計画が立てられます。
小売店
オフィスなど
大掛かりな設備配管工事や電気配線工事が必要ないため、コストは安めです。
【費用目安:20〜50万円/坪】
レストラン
カフェなど
厨房が必要な飲食店は、リフォーム費用が高めです。
簡易的な厨房で済むカフェと本格的な設備が必要なレストランとでは費用目安がかなり変わります。
【費用目安:30〜60万円/坪】
美容院
サロンなど
シャンプー台設置やドライヤー用電気回線工事が必要な美容院と、簡単な設備で開業できるネイルサロンとでは、工事費用が大きく異なります。
【費用目安:30〜60万円/坪】
「意外に安い」と思う方がいるかもしれませんが、これらの費用目安はあくまでもシンプルなプランを実現するための最低コストです。
そのほかに下記の費用が上乗せされる可能性があります。
- 装飾的なインテリアデザイン工事
- エントランスや店舗前のリニューアル
- 厨房などの什器レンタル代(購入代)
- 特別な設備・電気工事
②「居抜き物件」か「スケルトン物件」で計画は大きく変わる
居抜き物件とスケルトン物件では、リフォーム計画の費用・工事期間が大きく異なります。
それぞれメリット・デメリットがあるため、リフォーム前提の物件探しをする際は、どちらが適しているか慎重に検討しましょう。
【居抜き物件】
居抜き物件とは、前のテナントが使っていた内装・什器が全部もしくは一部残った状態の物件です。
飲食店や美容院などの業種ですと、新たに大掛かりな設備工事や電気工事をせずに開業できます。
メリット
- 既存を生かせば、初期費用を抑えられる
- 既存を生かして工事費用を縮小すれば、工期を短縮できる
- 前テナントと同業種であれば、元からの利用客から認知されやすい
デメリット
- 物件の選択肢が少ない
- 既存を生かそうとすると、レイアウトやインテリアデザインに制限がある
- 既存設備機器や什器の設置時期やメンテナンス方法を把握しにくい
- フルリフォームしたい場合は、解体工事が発生するため、費用・工期において効率が悪い
【スケルトン物件】
スケルトン物件は、設備・什器・内装が全て撤去され構造躯体が現れている状態の物件です。
天井・床・壁がコンクリート剥き出しの状態が大半なので、一からリフォームプランを立てなくてはいけません。
メリット
- レイアウトやインテリアデザインを自由に検討できる
- 設備機器が新品なので、保証やメンテナンスの管理がしやすい
- 物件の選択肢が多い
デメリット
- 開業までの初期費用がかかる
- 開業までの期間が長くなる
店舗のデザインイメージや使い勝手にとことんこだわりたい方には「スケルトン物件」がおすすめです。
一方、初期費用を抑えてローリスクですぐに開業したい方は、「居抜き物件」を中心にテナント探しをしてみましょう。
③「店舗リフォームにはローンが使えない場合がほとんど」
住宅のリフォームには、金融機関のリフォームローン商品が利用できますが、店舗リフォームは“現金払い”が基本です。
自己資金が足りない場合は、金融機関からの融資を受けなくてはいけません。
リフォームに先立ち融資を受ける場合は、個人事業主でも法人でも以下の書類が必要になります。
- 決算書(貸借対照表・損益計算書など)
- 試算表
- 資金繰り表
- 事業計画書
- リフォーム工事の見積書・プラン図・仕様書など
- 銀行取引一覧表(銀行取引明細表)
- 納税証明書
審査が通り、決裁が下りると、現金が口座へ振り込まれますが、一気に工事代金を支払うケースはあまりありません。
工事途中で追加工事が発生しても追加融資が受けられるとは限りませんので、金融機関へ相談に行くまでにリフォームプランを詳細まで詰め、最低でも工事費用の15〜20%程度分は自己資金を用意しておくと安心です。
一般的には、工事契約金(着手金)として総額の1/3、工事の中間でさらに1/3、工事完了後に引き渡しを受けた後に残りの1/3を払うのが通常です。
ただし、工事費用や施工会社によって支払い条件は異なりますので、契約前に必ず詳細を確認してください。
④「どこの施工会社でもできる訳ではない」
昨今、中古住宅・中古マンションの人気が高まっているため、住宅リフォームを専門に行う施工会社はたくさんありますが、その会社の全てが店舗リフォームまで手掛けられるとは限りません。
なぜなら、店舗リフォームには、住宅とは異なる施工知識や製品知識が必要な上に、業務の効率化や集客獲得を見込んだプランの提案が求められるからです。
また、経営戦略に基づいた費用対効果の視点も欠かせないため、店舗リフォームは実績のある会社へ相談しましょう。
“najamナジャム”は、埼玉県・東京都を中心に、アジアンリゾートスタイルをコンセプトとした住宅・マンション・店舗のリノベーション事例があります。
個性的なインテリアの店舗を実現させたい方は、お気軽にご相談ください。
⑤「エントランスのデザインも重要」
店舗リフォームのプランを検討する際、どうしてもインテリアが着目されがちですが、お店の印象を決めるのは「エントランス」と言って間違いありません。
そのため、施工会社とプランを検討する際は、入り口付近の工事予算を忘れないようにしましょう。
路面店の場合は、テナント前の整備や改修も必要です。
いくらインテリアをこだわっても、店前が魅力的でなければ、集客は期待できません。
開業後にお手入れ・掃除しやすいプランにする点も重要です。
⑥「競合分析する」
店舗リフォームのプランニングに欠かせないのが、「競合分析」です。
周辺で人気の競合他社をターゲットに定め、店舗のデザインやレイアウトを分析してください。
ポイントは、「似通ったプランにしない」という点です。
いくら人気のお店でも、お客様に「似ている」と思われると、印象に残らず差別化できません。
競合が人気の理由を探り、リフォームプランのベースに取り入れることをおすすめします。
⑦「コンセプトを明確にする」
店舗リフォームは、他社との差別化やお客様への印象付けをするためにも、明確なコンセプト設定は欠かせません。
ただトレンドを色々と取り入れても、まとまりがなく雑然とした印象になるため、細部まで一貫してテーマを絞ることが重要です。
コンセプトを決める際には、まずどのような店舗にしたいのか考えてみましょう。
- ナチュラルで居心地のいい店にしたい
- モダンで非日常を感じられる店にしたい
- リゾート感漂うラグジュアリーな店にしたい
- コストをかけず清潔感のある店にしたい
- 既存を出来るだけ生かしリスクを抑えて開業したい …
どのような店にしたいかによって、適したコンセプトは異なります。
あなたの理想を現実にできる提案力・設計力のある会社へ相談しましょう。
店舗リフォームの予算組みは耐用年数と減価償却がポイント
店舗リフォームの予算組みをする際にキーワードとなるのが、「耐用年数」と「減価償却」です。
耐用年数
(法定耐用年数)
耐用年数とは、税務上資産を使用できる期間のことで、「建物・建物附属設備・機械装置・器具備品・車両運搬具」(減価償却資産)が対象です。
年数は資産によって細かく決められています。(参考:国税庁|耐用年数(建物/建物附属設備))
注意すべきなのは、実際に使える期間(資産の寿命)とは、全く別であるという点です。
減価償却
減価償却とは、対象となる資産を取得する際にかかった費用を、法定耐用年数の期間で分割配分して経費計上できる仕組みです。
減価償却することで、経理上、一時的に支出が増えることがなくなり、複数年に渡って費用を経費計上できるため、節税につながります。(参考:国税庁|No.2100減価償却のあらまし)
減価償却は、経年とともに価値が減少していく資産に対する仕組みなので、リノベーション工事や設置した設備機器も対象です。
一時的な支出であるリフォーム費用を、耐用年数で分割して毎年計上することで、数年間利益額を減らせるため、法人税額を少なく抑えられます。
ただし、長期間計画的な赤字が続くと、銀行からの融資を受けにくくなり、運転資金に影響が出る可能性があります。
そのため、リフォーム予算を検討する際は、工事費用を減価償却しても長期間赤字にならない金額を想定すると良いでしょう。
店舗リフォームで使える補助金・助成金
店舗をリフォームする際、忘れてはいけないのが「補助金・助成金」のチェックです。
支給対象となれば、大幅に支出を減らせます。
そのため、必ず内容を精査し、条件を満たしているか確認してください。
また、リフォームプランを検討する際にも、対象要件を満たせるか、施工会社と検討しましょう。
小規模事業者持続化補助金(創業枠)
【主な対象要件】
- 小規模事業者であること(業種によって常時使用する従業員数が5〜20人以下)
- 資本金又は出資金が5億円以上の法人に株式の100%を保有されていないこと
- 直近過去3年分の年間課税所得平均額が 15億円未満であること
【補助金額】
- 上限200万円(かかった費用の2/3)
事業再構築補助金(成長枠)
【主な対象要件】
- 事業が、過去もしくは今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する事務局で指定した業種・業態であること
- 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
【補助金額】
- 上限2000万円(従業員20人以下、かかった費用の2/3)
受動喫煙禁止対策助成金
【主な対象要件】
- 労働者災害補償保険の適用事業主であること
- 対象業種の中小企業事業主であること
- リノベーション時に、「喫煙室や分煙パーテーションなどの設置」を行うこと
【補助金額】
- 上限100万円(喫煙室の設置などにかかった費用の2/3)
働き方改革推進支援助成金
【主な対象要件】
- 労働者災害補償保険の適用事業主であること
- 交付申請時点で、指定された「成果目標」の設定に向けた条件を満たしていること
- 交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること
- リフォーム時に「労働能率の増進に資する設備・機器等の導入もしくは更新」を行うこと
【補助金額】
- 上限200万円(かかった費用の3/4)
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私たち“najam(ナジャム)”は、1966年創業の株式会社ホームズマルホのリノベーション部門です。
お客様のベストパートナーを目指すことをモットーに、リノベーションの設計施工からアフターメンテナンスまでを一括サポート。
埼玉県川口市・さいたま市・蕨市・戸田市を中心に、住宅や店舗のリノベーションを手がけています。
リゾートインテリアに特化し、お客様のご要望に沿ったプランのご提案から家具選びまでトータルでお手伝いできる点が私たちの強みです。
何より大切にしているのは、快適に過ごせる理想の住まいをお客様にご提案することです。
創業から58年にわたる住宅業界での業歴の中で、長年蓄積してきた資材調達のノウハウを活かし、お客様の様々なご要望にお応えいたします。